宮の森美術館スタッフによるMIYANOMORI ART MUSEUM NEWS。国内外のアート情報も。

2010/8/22 日曜日

写真の持つ力の一端

森山大道写真展 小樽運河プラザ、フリーランスが終了し、
本日作品の搬出をいたしました。
小樽運河プラザの運営をボランティアで手伝ってくれた、
小樽商科大学の写真部岩村君から
メッセージが届きました。
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私たち商大写真部は、この三ヶ月の間に小樽市内の飲食店を中心にチラシやポスターの設置活動、会期中は会場スタッフとしての活動を行ってきました。そこで多くの方に知り合いお話しさせていただいたことで、感じたことを記したいと思います。

小樽市内で宣伝活動を行っていく中で、それぞれが様々なお店の方々とお話させて頂きました。その際に感じたのは、自らが暮らす小樽という街への愛着というものでした。
地元の商大生というだけでお忙しい中活動を支援してくださったり、30年前の小樽が見られるということで様々な期待を胸に我もと積極的にチラシを配ってくださった方々が沢山いらっしゃいました。
配り歩く先々で、小樽の昔話を聞かせていただいたり、私たちへの応援の言葉をかけてくださった方々が忘れられません。

また会期が始まってからも、様々な方とお話させていただくことができました。
「一見するとただ通り過ぎてしまうような風景の中に様々な要素が有る。それを掬い取れる人が森山大道さん」
「自分の住む近所から消えてしまった長屋が、まだ市内に残るところが有ったなんて…」
「顔の有るマネキン、それが写るショーウィンドゥって、あらためて写真で見ると懐かしい気がする」

この写真展には小樽市民の方だけでなく、森山大道さんのファンの方や写真家の方など、幅広い層の方々が来場されていました。
写真家の方からいただいた言葉が私たちの写真を見るヒントとなり、またそのヒントを基に一般の市民の方と会話をすることで、市民の方々がまた別の視点で写真を見て街に気付かれる。その繰り返しの中から、あらためて写真の持つ力の一端に気付かされた気がします。


今回の活動が私たちの大学生活の中で大きな経験になったことを、日が進むにつれて実感しています。
至らぬところの多い私たちに、責任と自覚を持ち活動する場を与えてくださった主催の宮の森美術館や、小樽文学館にJazz喫茶フリーランスの担当者の方々、また宣伝活動に快く協力してくださった小樽市民の方々に、この場を借りて感謝の言葉を述べたいと思います。本当にありがとうございました。


最後に、運河プラザの展示内容を端的に示されたと思われる、あるお客さまの一言で終わりにしたいと思います。

「会場の中心に立つことで、すべての作品が見渡せる。そこで感じるのは、これが小樽の全てだということ。この16枚に厳選された作品で、小樽という街がよく現されている。」
素晴らしい写真展を私たちに披露してくださった写真家の森山大道さんと、アートディレクターの長澤章生に感謝します!!

小樽商科大学写真部
ボランティアスタッフ 岩村亮太

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